政府は20日、国際指針に沿って不動産の取引状況を指数化した「不動産価格指数」の実用化に乗り出す方針を固めた。世界的な金融緩和によって生まれた資金が好調な日本の不動産市場に向かうことが予想される中、国際的な基準を導入することで取引の公平性を確保。実態を迅速かつ正確に把握して、不動産バブルを未然に防ぐ狙いもある。
不動産取引をめぐっては、国際通貨基金(IMF)と欧州委員会統計局(ユーロスタット)が国際指針を策定。リーマン・ショックの教訓を踏まえ、鑑定評価額でなく実際の取引価格を使って指数を算出、地域の実態も反映して速やかに公表するよう指導している。
日本でも平成24年8月から、この指針に沿った住宅用指数の試験運用が始まった。国土交通省が住宅を購入・登記した買い主に価格や面積、築年数などを調査し、20年度の平均を100として全国平均と地域別とで指数化している。
ただ取引内容が反映されるまで5カ月もかかり、現状が十分に反映できていなかった。そのため国交省は郵送だった調査をインターネット対応に切り替え、公表までの期間を3カ月に短縮、1月末の公表分から実施する。公表方法も今後、米国や英国、欧州連合(EU)などの指数を併記して、比較しや める方針だ。