【講師のホンネ】櫻田毅 「この年だから症候群」の治療法 (1/2ページ)

2014.1.22 05:00

 私自身の転職、独立、管理職や経営陣としての経験を背景に、長寿社会で元気に仕事をし続けるための心のあり方などを、研修や講演を通じてお伝えしている。

 以前、企業研修の休憩時間中に、役職定年を迎えた50代のAさんがポツリとつぶやいた。「もう、この年だから頭が固くなってしまって」。おおっ来たか、「この年だから…」。ベテラン社員の研修でよく聞く言葉である。年のせいで、柔軟な発想や新たな気づきが起きないということなのである。私はこのような方たちを、『この年だから症候群』と呼んでいる。たしかにベテラン社員になると、長年の経験や実績によって仕事に対する自分なりの価値観やものの考え方が固まってくる。もちろん、しっかりとした価値観を持つことは、判断や行動の軸を持つという意味で大切なことである。

 しかし、年をとったイコール頭が固くなると自分で定義してしまうと、それが「成長しなくてもいい」という免罪符のような効果を生んでしまう。脳は自分自身の言葉を一番よく聞いているからである。そもそも今の価値観や考え方は、これまでの環境や経験によって、じわじわと形作られてきたものである。そして、これから先の環境や経験によって当然変わっていく、いや進化していくものなのである。

 にもかかわらず、「この年だから」を理由に、今の価値観が最終形であるかのように思い込んでいる人は結構多い。ただ、Aさんのような方の多くは、実は心のどこかで少しでも変わることができれば、とも思う。単に「この年だから」という言葉で思考が停止しているだけなのだ。

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