【ワシントン=柿内公輔】米ブルームバーグは30日、米マイクロソフト(MS)の取締役会がスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)の後任に、サトヤ・ナデラ副社長を昇格させる方向で準備していると報じた。創業者のビル・ゲイツ会長の退任も検討しているという。
事情に詳しい関係筋の話として伝えたもので、クラウド・法人部門の責任者のナデラ氏は次期CEOの有力候補の一人に挙げられていた。インターネット上でソフトウエアを管理しサービスを提供するクラウドは市場が急拡大しており、MSも強化を急いでいる。
またゲイツ氏の後任には、米IBM元幹部でMSの社外取締役であるジョン・トンプソン氏の起用を検討しているという。トンプソン氏は次期CEO選びでも中心的役割を担っており、ナデラ氏とのコンビで経営体制の刷新を印象づける狙いもありそうだ。
一部の米ITメディアは、MSが来週にもCEO人事を発表する可能性があると伝えている。
バルマー氏は昨年8月に「1年以内に退任する」と表明。MSは特別委員会を設置して社内外から後継選びを進めてきた。米自動車大手フォード・モーターのムラーリーCEOが一時最有力とされたが、本人が否定し、社内からの昇格説が有力になりつつあった。