その証拠に、今年1月9日付米金融経済通信社ブルームバーグが地元テレビ局KPIX5のニュースを引用して報じていますが、今度は社員の通勤用としてフェリー(双胴船)の運行を始めたのです。
とりあえず1カ月の試験運用で、物流関係の多国籍企業と契約。運行は出勤時の朝と帰宅時の夕方各2便(計4便)。149人乗りで、有名な観光地フィッシャーマンズワーフのすぐ近くにあるフェリービルディングから、オラクルの本社があることで知られるシリコンバレーのレッドウッドシティまで、片道約47分で航行します。
この件に関し、グーグルはブルームバーグに「われわれはサンフランシスコ市民にいかなる迷惑もかけたくない。そして社員の通勤に関し(無料バスとは)別の方法を試している」と答えました。
“人間の行動はすべて数値化できる”と豪語し、世界中の人々の膨大な検索データなどを蓄積・分析し続けるグーグル。最近はその思想にかぶれて、やたら“ビッグデータ”とわめく輩がおりますが、当のグーグルが、京都では商売人が必ず口にする“地元住民に愛されない企業は決して成功しない”という古くさいながらも決して揺るがない商売の鉄則に立ち返ろうとしていることに、われわれはもっと注目すべきだと思います。(岡田敏一)