専用ターミナルでは国際、国内の両線を利用できるため利便性が高い。同社の夏目誠社長は「成田空港の多機能化を目指す中、LCCの拠点化は一つの大きな柱。国際線と国内線を運用できる専用ターミナルは拠点化の切り札となる」と強調する。
成田は開港から今年で36年となるが、羽田が国際化を進めているほか、韓国の仁川やシンガポールのチャンギといったアジアの巨大空港が存在感を高めており、空港間競争の中で地盤沈下の懸念もある。実際、3月末に予定されている羽田の国際線発着枠拡大の影響で、成田発着便は少なくとも週63便の減便になる見通し。1月の成田の国際線スケジュールでみると、全体の4.3%に相当する。
こうした中、LCCの受け入れ態勢の強化は、旅客ターミナルでの物販や飲食のような「非航空収入」の拡大などと並び、今後の成長戦略の柱の一つだ。
日本でのLCCのシェアはまだ1割に満たないが、夏目社長は「日本でもこれから2割、3割へと拡大していく」と見込んでおり、専用ターミナルの整備を通じて成田空港へのLCC参入の拡大を図る考えだ。