今は社長業に追われることを楽しんでいる。「忙しいなりに自分の裁量で時間をやりくりでき、自宅でも働ける」と笑みがこぼれる。
厳しさも痛感している。
「考えが甘い」「経営者としての覚悟が足りない」
事業計画を投資会社に説明する場などで、「何度もこてんぱんに」たたかれた。もっとも、それで落ち込んだかといえば、まったく逆。「指摘の通りだと思いむしろ奮起した。ポジティブさだけはあるので」
めげない、へこたれない、あきらめない-。ママは強い。(井田通人)
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≪Q&A≫
■アドバイザー 5年で25万人
--ビザスクを通じて「知的生産性を高める」ことを目指している
「ウェブを介して仕事を外部に発注する『クラウドソーシング』が普及し始めているが、対象は主にIT系の業務。ビジネス知識を売買できる仕組みがあればおもしろいと思った。企業は新規分野に進出し、業務を改善し続けないと生き残れない時代。ビジネスパーソンにもつねにさまざまな知識やノウハウが求められている」
--利用状況は
「30~40代のビジネスパーソンが登録者の7割強を占めている。扱われる情報は事業企画やマーケティングに関する内容が多い。もちろん、現役のビジネスパーソンでなくてもいい。ビジネスキャリアを重ねた女性が出産などで家庭に入り、ノウハウやスキルが埋もれてしまうのはもったない。定年で引退した方も同様だ」
--収益モデルは
「個人間の仲介に加えて、企業の要望にかなうアドバイザーを紹介するサービスもある。個人間の仲介ではクライアントが3000円か1万円を支払い、3割が当社、7割がアドバイザーに入る。有償の相談に進む前に、無料でメッセージをやりとりすることもできるので、負担なく利用できる。企業向けサービスの金額は内容や要求水準によって変わるが、定額制導入を考えている」