日本郵政が2015年春に予定していた株式上場が秋に延期される可能性が出てきた。グループの成長戦略が描き切れないのに加え、グループの情報システム統合が間に合わない可能性が浮上。“隠し球”とされる郵便貯金の限度額引き上げも現時点で実現は見通せない。西室泰三社長が就任直後に半年前倒しを表明した上場計画は再び後戻りしかねない情勢だ。
放置できない状況
上場計画まであと1年と迫った日本郵政だが、ここへきて難問が表面化し始めた。世界最大のオンラインシステムを抱えるゆうちょ銀行をはじめグループ4社の情報システム統合作業が「予想以上に難航している」(日本郵政グループ幹部)ことが大きな要因だ。
ある自民党議員も「来春の上場は難しくなってきた。システム作りがかなり遅れているようだ。ぶっつけ本番で上場後に大きなシステム障害でも起こしたら大変」と懸念を示す。