□日産自動車 日本商品企画室リージョナルプロダクトマネージャー・寺田美穂さん(45)
--大型セダン「ティアナ」の3代目を発売した
「初代は『モダンリビング』、2代目は『おもてなし』をキーワードにしたが、3代目は『心地良さとともに走りも楽しむ大人の移動空間』を打ち出した。グローバルなセダンのトレンドは洗練さと走りを追求する方向に進んでいる。これまでの特長だった、ゆったりした乗り心地の良さを進化させるとともに、新開発のサスペンションで走行時の安定性を向上させるなど『走りの楽しさ』を新しい魅力として加えた」
--全方向の安全装備は付けていない
「ティアナは、2500ccのオーソドックスなセダンを多くの方に乗っていただくという役割を担っている。(242万9700~304万5000円に設定した)手頃な価格と使用シーンを考えながら、ここまであれば十分ではないかと考えた。過剰である必要はない。海外では2012年から投入しているが、安全装備は簡単に後付けできないという理由もある」
--想定する顧客層は
「お子さんが独立した50代の夫婦をイメージした。時間もお金も自由になる世代だから、新婚時代に戻って恋人のように楽しく豊かな時間をもう一度過ごしたいという人たちだ」
--どう売り込んでいくのか
「50代の姿は劇的に変化している。例えば、女優の黒木瞳さんはアニメ『サザエさん』に登場する52歳の磯野フネさんと実は同年代だが、枯れているなんてことは全くない。元気で若い『新しい大人』だ。シニア向け商品という言葉を使いがちだが、それはNG。老いとか老化を思い起こさせる言葉は使わずに、ダイナミックでアクティブな『若々しさ』をティアナに乗せて伝えていこうと考えている」
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