【和歌山発 元気印】林撚糸 魔法の手袋、耐熱性と快適性両立 (2/5ページ)

2014.2.27 05:00

紙から作られた糸「ワシテックス」

紙から作られた糸「ワシテックス」【拡大】

  • 高い天井近くを通ってより合わされる糸。特殊な撚糸を作れるのも日本の優れた技術力のたまものという=和歌山県橋本市
  • 林寛社長

 「この職人のこだわりが日本を支えてきた。この手を守らなければいけない」

 試行錯誤の末に“夢の手袋”が完成した。ただし、「町工場の悲しさで、いい物を作っても販売が弱くて…」と、新たな壁にぶつかった。そこで、県工業技術センターに通いつめて数値データをそろえ、品質の確かさを証明。特許は日本だけでなく米国、中国、欧州などで取得し、2012年には大手繊維会社の販売支援を受けることになった。翌13年には、手袋として初めて日本防炎協会の認定を受け、手応えを確かなものにした。

 ◆可能性は無限大

 「撚糸」とは、1本では弱い糸を複数本より合わせ、強度と太さをそろえること。近年、途上国の進出により国内の工場は苦戦を強いられているという。

 「撚糸はコーヒーのブレンドに似ている。さまざまな素材を組み合わせて面白いものをつくる」。林社長は、組み合わせやよりかた次第で可能性は無限大に広がると強調し、「技術力の高い日本は、ハイテク素材の宝庫であり、さまざまな素材が手に入る。途上国にはない糸を作ることができる」と力を込める。

 アツボウグだけでなく、7年前からは紙を使った撚糸の研究も進めてきた。一度は挫折したが、今までになかった柔らかい和紙を入手したことで、紙らしさを保ち織れて編める糸の開発に成功。「ワシテックス」と名付け、13年に特許を取得した。

 紙は綿の13倍の吸水性があり、発汗素材とより合わせれば吸水発汗繊維に、ウールとより合わせれば暖かさもプラスできることから、タオル、デニム、シャツ地などさまざまな展開が期待される。

 「宇宙航空、自動車、スポーツ・レジャー用品など、ハイテク繊維はあらゆるところで使われている。日本にしか作れないものだらけの繊維は成長産業なんです」(成瀬欣央)

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