【評伝】安川英昭・セイコーエプソン名誉相談役 クオーツ腕時計を商品化

2014.3.1 05:00

 2月25日死去したセイコーエプソンの安川英昭名誉相談役は、技術者として世界初のクオーツ腕時計の商品化に取り組む一方、同族経営の時計製造会社だったエプソンを上場させ、世界に知られる情報機器メーカーとして成長する土台を築いた。

 1955年の入社以来、一貫して技術畑を歩んだ。当時、エプソンはセイコーグループの時計製造部門だった。クオーツ腕時計の開発では、設計チームのリーダーを務め、苦労の末、短期間で小型化を実現した。

 76年に取締役に就任してからは多角化に向け、情報機器の開発を推進。社長時代に発売したインクジェットプリンターは今や売上高の6割を占める屋台骨だ。一方、パソコン事業からの撤退を決めた。

 会長時代の2003年に念願の東証1部に上場。「決断から12年もかかった」と感慨深げに語った。創業家で大株主の服部家との調整などにも力を尽くした。昨年暮れにはインタビューでものづくりの大切さを熱心に語ったばかりだった。(田村龍彦)

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