【ワシントン=柿内公輔】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の大量リコール(回収・無償修理)問題で、同社が開発段階から乗用車の不具合を把握していたことが13日、分かった。不具合の対策が不十分なまま車が販売されていた可能性が出てきたことで、GMへの風当たりが強まりそうだ。
GMのリコールの対象となっているのは2002~07年型の一部車種で、点火スイッチの欠陥が指摘されている。GMはこれまで04年に初めて不具合が判明したと説明していたが、同社が米道路交通安全局(NHTSA)に提出した追加資料によると、詳しい社内調査の結果、01年に不具合の報告を受けていたことが明らかになったという。
一方でGMは、これまで13人としていた事故による死者数を「重複があった」として12人に訂正した。
GMのリコール問題をめぐっては、NHTSAなど当局や議会が調査に乗り出している。悪質で組織的な隠蔽(いんぺい)があったかどうかが焦点だが、開発段階で問題を把握しながら10年以上も事態を放置していたことにも批判が集まりそうだ。