日本航空による深夜早朝時間帯の羽田-ホーチミン線の新規開設が認可された。昨年10月の羽田空港の昼間時間帯の国際線発着枠の配分で全日本空輸に大差をつけられた日航としては一矢を報いた格好だが、全日空は反発している。羽田をめぐっては中長期的な発着枠拡大に向けた議論もすでに始まっているものの、日航と全日空の争いの火種がくすぶる中、発着枠配分のルールを明確化すべきだとの声も識者からはあがっている。
同路線の認可を受け、日航は「旅客利便性向上や訪日外国人誘致に向けて、これまで以上に貢献していきたい」と淡々とコメントした。植木義晴社長は1月に同路線の新設計画を公表した当初から「申請が認められないということは考えていない」と強気の姿勢を示し、すでに航空券の販売も開始している。
一方、全日空は25日、国土交通省に対し、今後の日航による新規路線の申請については抑制的に判断することなどを求める要望書を提出。今回の羽田-ホーチミン線の認可について「大変遺憾。競争環境のゆがみがさらに拡大する可能性が極めて高いと憂慮している」とした。