■【企業スポーツと経営】(上)
スポーツへの支援に消極的な企業が増える中、選手・チームの活躍を経営に生かす企業もある。2020年の東京五輪に向け、企業支援のあり方を探る。連載1回目は久光製薬の女子バレーボール。
日本の製薬会社で唯一の本格的なスポーツチームをもつ企業が、女子バレーボールに特化する久光製薬だ。同業他社が手を出さない企業スポーツに力を入れるのには、それなりの理由があるはず。それは企業イメージを高める広告塔としての存在だけではない。魅力ある選手と強いチームは外へのアピールとともに、社内の活力にも波及する。さらに、目指す世界戦略にも貢献する。
女子バレーボールの歴史は、戦後の紡績工場で働く女子工員たちの息抜きとして、企業が奨励したのが始まりといわれている。昼休みは輪になり、一つのボールを落とさないようトスをつなぎ合う。短時間でも仕事を忘れ熱中でき、連帯感も生まれるからだ。ここから選手が育ち、実業団リーグ戦へと発展していった。