梅酒市場が復活の兆しを見せている。健康志向の高まりなどを受け、平成16年ごろから女性を中心に人気を伸ばしたが、近年はブームが落ち着いている。こうした中、サントリー酒類は4月、糖質を従来品の約半分に抑えた無色透明の新商品を送り出し、高付加価値で新規需要の開拓を狙う。梅の名産地・和歌山県では、地場の酒造会社が商品ラインアップを強化。梅の花さながら、さなざまな味わいが咲き誇っている。
ブーム再燃を狙う
サントリーによると、梅酒市場は16年の234万ケース(1ケースは8・64リットル換算)から、23年には448万ケースに成長した。
梅酒は昭和37年の酒税法改正で家庭でつくれるようになり、日本人に親しまれている。加えて「体によさそうなイメージが高まり、健康志向を追い風に若い女性を中心に人気を集めるようになった」(業界関係者)といい、飲食店でも梅酒を飲む人が増加。好調な市場を背景に、最大手のチョーヤやサントリーのほかアサヒビールや宝酒造、日本盛などがしのぎを削ってきた。
ところが近年ブームが落ち着き、24年は440万ケース、25年は403万ケースと減少傾向に。そこで市場活性化に向け、サントリーや地方の酒造会社が目新しい商品を投入している。