NHKは22日、板野裕爾理事を専務理事に昇格させ、番組制作のトップである放送総局長に充てるなどした新執行部体制を発表した。籾井(もみい)勝人会長が同日の経営委員会に提案し、同意された。24日に任期満了を迎える理事4人中2人を交代させるほか、他の理事8人中6人の担務の一部を変更する。板野氏はこれまで別の理事が担当していた国際放送も統括。専務理事は1人増えて計4人となる。発令は25日付。
委員会後に取材に応じた浜田健一郎経営委員長によると、出席した委員11人のうち2人が審議不足などを理由に判断を保留した。事前説明がなかったことや、籾井会長が理事の担務変更を会長の専権事項と主張したことに、一部の委員が反発したという。経営委は同日、籾井会長に対し、理事人事の提案時期などについて改善を申し入れた。
新たに井上樹彦編成局長と浜田泰人技術局長を理事に任命、福井敬理事は再任。久保田啓一、上滝賢二両理事は退任する。
籾井会長は同日、今回の人事について「各理事の担務は適材適所の考え方を基本に、協会の業務を幅広くとらえ、ガバナンスを確立する観点から決めた」とのコメントを発表した。籾井会長は1月の就任初日に10人の理事全員に辞表を書くよう求めたとして、国会で追及されていた。