SNSゲーム株の黎明期にその市場を牽引したのは、ディー・エヌ・エーとグリーだった。当時の主流は「ガチャでレアカードを手に入れる」こと。最盛期は2012年だが、2011年6月期に営業利益311億円だったグリーは、2012年6月期に前期比2・6倍強の827億円に成長。ただ、このサクセスストーリーは、突如として変化を迎える。スマートフォンの普及とともに、SNSゲーム市場の主流がアプリに移行したからだ。ここで、登場したのがガンホーの『パズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)』。
SNSゲーム株フィーバーの立役者は文句なしにガンホーである。2012年以降に『パズドラ』で一大ブームを巻き起こしたガンホーが、アベノミクス相場の昨年、とんでもない株価上昇を見せつけたからだ。株式分割を繰り返したため分割調整後の株価で示すが、2012年5月に16円程度だった株価が、1年後の2013年5月には1633円という高値をつけている。瞬間最大ではあるが、上昇率はまさに100倍超! しかも、時価総額のピークは1・8兆円で、当時は「任天堂を超えた!」と話題になった。“たかがゲーム”派はマネーゲームと片づけたが、人気だけで上がったわけでは決してない。