居酒屋チェーン大手のワタミは8日、転勤を伴わない「エリア限定社員」を6月から本格導入し、アルバイトからの登用や中途採用で100人を確保する計画を発表した。景気回復を背景に外食業界などの一部では採用難が深刻化しており、同社も今春の新入社員数が120人と、計画の半分にとどまっていた。
同社はすでにエリア限定社員制度を設けているものの、賞与がないなど福利厚生は貧弱で登用数は10人程度にとどまっていた。新制度では福利厚生を正社員並みに充実し、副店長以上への昇進も可能にする。
同社は労働環境改善に向け、今年度中に全店舗の約1割に当たる60店の閉鎖を決定。桑原豊社長は同日の決算発表で「今後は新規出店を抑え、1店当たりの収益力を強める」と述べた。
ワタミの2014年3月期連結決算は、居酒屋事業や宅食サービスの不振に加え、店舗閉鎖による特別損失を計上したことで、最終損失が49億円と1996年の上場以来初めて赤字に転落した。