■コーヒー豆と水で勝負 コクとキレ刷新
UCC上島珈琲が今春、看板ブランドのブラックコーヒー「UCC BLACK無糖」の発売20周年を記念し、渾身(こんしん)のリニューアルに打って出た。UCCは、日本で初めて砂糖やミルクの入っていない缶入りコーヒーを発売したパイオニア。80年以上の歴史を持つコーヒー専業メーカーの技術を結集し、原材料は香料に頼らず、水とコーヒー豆だけで勝負に出る。
発売20周年リニューアル
UCCがブラック缶コーヒーを日本で初めて世に出したのは1987年。当時、缶コーヒーといえば甘くてミルクの入ったものが主流で、日本人の味覚も甘さを重視していた。ブラック缶コーヒーの市場シェアはゼロに近く、売り上げが伸びないことから、社内では発売中止を検討する向きもあった。
だが、消費者からは「ブラック缶コーヒーが飲みたい」という声が寄せられていた。同社直営の喫茶店でも、来店者の半数がブラックコーヒーを飲んでいたという。「必ず(ブラックの)ニーズはある」(玉井智子広報部長)という確信を持つ社員も少なからずいた。