吉野家ホールディングス(HD)は22日、牛丼チェーンを展開する吉野家で22年間、事実上のトップを務めた安部修仁社長(64)が8月31日付で退任すると発表した。後任社長は吉野家HD社長の河村泰貴氏(45)が兼務する。経営陣の抜本的な若返りを図る。
安部氏は2012年9月に吉野家HD社長を河村氏に譲ったが、今回、吉野家取締役からも退任する。吉野家HDの取締役からも今月22日に退任しており、吉野家グループの経営の第一線から退くことになる。今後は吉野家HD会長として経営陣に助言する。
1992年に42歳の若さで吉野家HDの前身、吉野家ディー・アンド・シーの社長に上り詰めた安部氏は、アルバイトとして出発したたたきあげで、牛丼業界を代表する経営者だ。
うどんチェーンの「はなまる」などの外食企業を次々と買収し、事業多角化も進めてきたが、2004年に、BSE(牛海綿状脳症)による米国産牛肉輸入禁止で、牛丼販売休止も余儀なくされた。今春、消費税率引き上げに対応し、主力の牛丼を、熟成肉を使ったものに刷新したことが最後の大きな仕事となった。