大手ゼネコンが、技術研究所の最新技術を顧客に「見せる化」することを競っている。建築物の完成予想をイメージしたり、高度な技術を体感したりしてもらい、受注獲得につなげることが狙いだ。
「技術のプレゼンテーションの場にしたい」。29日、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の勝俣英雄副所長は、2009年から始めた研究施設再整備の目的をこう明かした。
同日、メディアに初公開された新実験棟「オープンラボ2」は、地上2階建てで延床面積は5210平方メートル。主にコンクリートの研究に利用される。建物の基本コンセプトの一つが、社内外に“魅せる”実験空間だ。
「振動体験装置」では、同社の最新制震技術「ラピュタ2D」により、大幅に揺れが軽減されることが体験できる。また、外壁に新開発の環境配慮型塗装「エココート工法」を採用したり、強度試験室などをガラス張りにしたりして、見学しやすいようにした。