【底流】電力各社、止まらない財務悪化 重い燃料費負担に悲鳴 “奥の手”再値上げ現実味 (3/4ページ)

2014.6.2 07:00

泊原発の停止長期化で、自己資本比率が“危険水域”にまで落ち込んだ北海道電力の川合克彦社長(コラージュ)

泊原発の停止長期化で、自己資本比率が“危険水域”にまで落ち込んだ北海道電力の川合克彦社長(コラージュ)【拡大】

 さらに、大飯原発の運転差し止めを命じた福井地裁判決を受け、原発が立地する地元自治体などが再稼働判断に慎重となる恐れが出てきた。追い詰められた電力各社は、収支改善の“奥の手”となる再値上げの検討を余儀なくされている。

 日本経済に影響

 実質国有化された東京電力の26年3月期の最終損益は4386億円の黒字(前期は6852億円の赤字)と4期ぶりに黒字転換した。政府支援による特別利益のほか、燃料費が高い石油火力から燃料費が安い石炭火力への転換を進めた結果だ。

 ただ、円安により燃料費は2兆9152億円と3期連続で過去最高を更新した。広瀬直己社長は「電気料金の半分は燃料費に消えている」とぼやく。新総合特別事業計画(再建計画)で想定した柏崎刈羽原発(新潟県)の7月からの再稼働が絶望的となり、年末までに東電も再値上げの判断を迫られる恐れがある。

 政府は消費税増税後の景気に神経をとがらせており、当初は電気料金の再値上げに難色を示していた。だが、個人消費などの落ち込みが想定内にとどまる中、「再値上げを受け入れやすくなった」(大手銀行幹部)との見方が広がっている。

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