□西日本シティ銀行「沖縄クルマエビ・ウナギ事業」(5)
■独自の配合飼料で養殖
NCB九州6次化応援投資事業有限責任組合(NCB6次化ファンド)の第2号案件となったのは「ウナギ再養殖・加工販売プロジェクト」だ。農林漁業成長産業化支援機構としては第4号案件となる。プロジェクトはシャコ殼やシャコ殼に付着した身の未利用部位から作る独自の配合飼料を使用したウナギの養殖事業。冷凍魚介類の開発・輸入・製造・卸売りなどを手掛ける西日本冷食が設立した西日本水産に、NCB6次化ファンドが6000万円を出資した。
独自の配合飼料を用いることで、肥育期間を短縮するとともに身質や食味の改善も実現し、これまで有効活用されてこなかった未成熟なウナギの体質改善にもつながった。稚魚のシラスウナギがピーク時よりも減少する中で、期待が集まっている。
西日本冷食の日野美貴社長は創業・ベンチャー向けや中小企業の賞を多数受賞し、新進気鋭の女性起業家として注目されている一人だ。2009年9月創業の西日本冷食はボイルシャコの事業で国内トップクラスのシェアを持つ。同社がシャコ殼を飼料にウナギ養殖を始める動機となったのは、テレビのバラエティー番組だった。