ファミマの店内調理品はこれまで、アメリカンドッグや空揚げなど主に男性客向けでスナック感覚の強い商品が多かった。今回試みるのは、調理済み食品を自宅で食べる「中食(なかしょく)」として展開し、女性を引き付ける戦略だ。価格も200円前後と食品スーパーを意識して設定。時短ニーズをとらえるため今年度は店舗回りの投資150億円のうち約30億円をカウンター関連に充て、保温機などを刷新する。
コンビニでは、ローソンも中食向け製品群の拡充などで総菜の強化を図っている。3日には大ぶりの「げんこつコロッケ」を投入。「店内調理品の利益率は50%程度にのぼり、他の商品に比べて極めて高い」(ローソンの玉塚元一社長)といい、フランチャイズチェーン加盟店のオーナーの収益アップにもつながることから、新規メニューの開発を急いでいる。
スーパーでは、総菜やサラダなどを「少量・適量」で販売するイオンの量り売りが好調だ。2011年にスタートさせ、全国200店舗で展開。量り売りは総菜の売り上げの約1割を占めるまでに成長しており、導入店舗をさらに拡大する方針という。