台湾内外で店舗を構えるパイナップル(パイン)ケーキ製造販売の人気店「サニーヒルズ(微熱山丘)」はこのほど、1個35台湾元(約119円)の同社製品を42台湾元に25日から値上げすると発表した。原料のパインに加え輸送コストや電気料金などが上昇を続ける中、上昇分を社内で吸収しきれなくなったため。5年前の創業以来初の値上げに踏み切った形だ。
サニーヒルズが製造するパインケーキは、パインだけを主原料とした餡(あん)が入っており、パインとトウガンを混ぜて作った一般的な製品と異なり大量のパインが必要。このため事前に栽培農家と取引契約を結んで原料を確保するという。昨年は、計約1万3080トンのパインを2億台湾ドルで仕入れた。
その契約先である農家も、肥料や労働コストが上昇し経営が苦しくなってきた。サニーヒルズは「契約農家の厳しい現状を軽減するため、先ごろ仕入れ価格を1割前後引き上げた」と説明しており、これが値上げのきっかけとなったようだ。
サニーヒルズは現在、台湾内の台北民生公園や南投八卦山などに加え、上海の外灘、東京の表参道、シンガポールのラッフルズ・ホテルに販売拠点を構えている。このほかにも海外出店を数カ所検討中という。(台湾 経済日報)