物流施設の増設を促しているのが、ネット通販の拡大だ。調査会社、MM総研(東京)の推計によると、ネット通販の市場規模は平成24年度で約14兆2000億円、25年度は約15兆9000億円。一般用医薬品のネット販売解禁などもあり、27年度には20兆円を超える勢いという。
ネット通販大手の楽天は、兵庫県川西市でプロロジスが昨年11月に建てた施設を1棟借り。工具などの通販を手がけるモノタロウ(兵庫県尼崎市)も、尼崎市にプロロジスが整備した施設を全て使用している。
企業が無駄を省くため在庫を極力減らす動きが広がっていることも、物流施設の需要を押し上げている。施設を利用するのは、安い料金で企業から商品を預かり配送を請け負う専門業者だ。
三井住友信託銀行大阪本店不動産鑑定室の尾崎屋正室長は、「物流施設は長期契約で賃料も上下しにくいので、オフィスや商業施設よりも収益が安定する。施設が過剰にはならない」と指摘している。