創業80周年を迎え、海外販売の強化を目指すニッカの中川社長=2日、東京都港区【拡大】
アサヒビール傘下のニッカウヰスキーが2日、国内外での好調なウイスキー販売をうけ、今年と来年の原酒生産量を前年比約1割ずつ増やす計画を発表した。とりわけ欧米を中心とした輸出量は、今年6月までに前年同期比6割増と大きく伸長しており、年間32%増の120万本(700ミリリットル瓶)としていた当初計画の上方修正も検討。中川圭一社長は、同日の創業80周年記念会見で「海外への情報発信に注力し、ブランド価値をさらに高めていく」と述べた。
主力ブランドの「竹鶴」は今年、ウイスキーの国際コンテストで2007年以来6回目となる最高賞を受賞した。欧州限定ボトルの発売や、パリでの期間限定バー開設といった取り組みで、認知度のさらなる向上を狙う。
一方、アジアでの販売は台湾やシンガポールが中心。需要が急伸する中国やインドへの展開が今後の課題だが、ブランド価値向上を最優先とし、両国進出は慎重に検討するという。
ウイスキーをめぐっては、国内最大手のサントリーホールディングスが米ビームを買収、グローバル展開を本格化させる構えだ。ニッカの中川社長は「日本産ウイスキーへの追い風とも言えるが、ニッカが埋没しないようためにも、最高品質を追求していく」と気を引き締める。
国内では今夏、「ブラックニッカ」のプレゼントキャンペーンなどで顧客層拡大を図る。