ビール大手5社が10日発表した2014年上期(1~6月)のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の課税出荷量は前年同期比1.2%減の1億9685万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で、上期としては1992年の統計開始以来、過去最低となった。上期の前年同期割れは2年連続。景気回復を背景に高級ビールが人気を集める一方、これまで好調だった第3のビールに陰りが見えてきたのが要因。最需要期の夏場での盛り返しが各社の課題になるとともに、商品戦略の練り直しも迫られそうだ。
分野別では、ビールが0.2%増の9625万ケースと2年ぶりのプラス。アサヒビールが2月に「ドライプレミアム」を一般発売し、サントリー酒類も「ザ・プレミアム・モルツ」シリーズの新商品を投入したこともあり、高級ビールが伸びた。
発泡酒は5.2%減の2633万ケースと減少が続き、第3のビールは1.6%減の7426万ケースと初めて前年同期割れとなった。