住友生命保険の子会社、メディケア生命保険は11日、保険商品のインターネット販売を17日に始めると発表した。大手生保がネット生保を取り扱うのは初めて。保険料は定期死亡保険で住生本体より3~5割、医療保険で2~3割安い。顧客のニーズが多様化する中、割安な保険に自ら選んで加入したい顧客層を取り込む。
ネット専用に開発した定期保険は、保険期間10年で死亡保障1千万円の場合、30代男性の保険料は1214円と、業界最安値だったライフネット生命保険を16円下回るなど、20~40代の男女で業界で最も安い価格設定にした。医療保険はメディケア生命で来店型ショップを通じ販売している既存の商品を発売する。
生保業界では将来の中核顧客になる若年層を中心に簡素で割安な商品を選びたい消費者が増え、営業職員勧誘して複雑な商品を売る販路が主体の大手生保は、外資系など新規参入生保にシェアを奪われてきた。住生は販路を多様化して顧客の囲い込みを狙う。
現在ネット生保は8社だが、住生のほか年内にSBIホールディングスが再参入する。足元ではわずかなシェアにとどまるネット生保だが、業界大手の参入で市場拡大のピッチが早まる可能性がある。