「極ゼロ」の再発売をアピールするサッポロビールの尾賀真城社長=15日、東京都渋谷区【拡大】
サッポロビールは15日、酒税の課税分類をめぐって先月から出荷を停止していた第3のビール「極ZERO(ゴクゼロ)」を、発泡酒として再発売した。
新しい極ゼロは、税率区分の変更に伴い製造方法を一部変えたが、糖質と痛風などの原因とされるプリン体をゼロとした商品の特徴や、味わいは維持した。
実勢価格は350ミリリットルが165円、500ミリリットルで225円。第3のビールとして販売していた際の実勢価格は、350ミリリットルが145円、500ミリリットルで200円。
15日の会見で、尾賀真城社長は「景気回復で消費者の低価格志向は薄らいでおり、発泡酒でも十分に存在感を示せるはずだ」と述べた。
極ゼロは昨年6月の発売から約1年で約530万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を販売するヒット商品。再発売後もこの特徴や風味を引き継ぎ、年内に260万ケースの販売を目指す。
酒税の課税分類をめぐり、サッポロは「製法の問題はなかった」とする立場を崩していないが、酒税の差額分116億円の自主納付を決めた。国税庁が第3のビールと認めなかった場合に延滞税が膨らみ続けるリスクを避け、発泡酒として出直しを図る道を選んだ。
しかし、「糖質・プリン体ゼロ」の商品は、各社も有望とみて研究に取り組んできた分野だ。再発売にぶつけるようにサントリー酒類は15日、同じ特徴の発泡酒「おいしいZERO」を9月2日に発売すると発表。キリンビールも同種の新商品を9月に投入予定するほか、アサヒビールも年内の発売を検討しており、極ゼロの牙城を崩そうと狙っている。