伊藤忠商事は24日、タイ最大級の財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと資本業務提携すると発表した。日本の大手商社がアジア財閥と相互に株式を持ち合い、幅広い分野で戦略提携するのは初めて。
同日会見した伊藤忠の高柳浩二専務執行役員はCPとの戦略提携について、「強みの非資源とグローバル展開の強化が狙い」と話し、CPを選んだ理由は「事業領域の重複が少なく、お互いに補完関係を築ける」との利点を挙げた。
伊藤忠商事は、タイのCPグループの中核会社の一つで中国やベトナムで飼料や畜産事業を運営するC.Pポカパン(CPP)の株式の25%を約870億円で取得する。
一方、CPの子会社と日本政策投資銀行が設立した投資事業組合は、伊藤忠の第三者割当増資を通じて、計4.9%を約1024億円で引き受ける。
伊藤忠とCPグループはまず、飼料や農産物などの食料や化学品など両社が強い分野を中心に協業し、将来は情報や保険などの金融分野に広げる。
提携効果について伊藤忠は2015年度に利益ベースで最大50億円、中長期的に100億円を見込む。