このためクボタは、農地だけではなく道路での運搬用途を想定し現行機種よりも重量があるトラクターの開発に着手、年内にもタイ工場で生産する計画だ。今年度のインドのトラクター市場規模は60万台程度と見込まれているが、まずは現行機種と合わせ1万台の売り上げを目指す。
一方、中国向けには今年5月、トウモロコシなど穀物の収穫作業に使うコンバイン新製品を発売した。同社としては初の車輪型で、稲作向けに販売してきた従来のクローラー(履帯)型よりも、地面の硬い畑で機動力を発揮する。
クボタは、中国のコンバインの市場規模はトウモロコシ用で5万台、麦用で3万台とみており、今後は商品数を広げてシェア拡大を図る構えだ。
クボタの農機事業のうち中国での売り上げは7%弱で500億円(2014年3月期)にとどまるが、北尾裕一常務執行役員は「新製品投入で中長期的には売上高を倍にしたい」と話している。