製薬大手4社の2014年4~6月期決算が1日、出そろった。主力薬品の販売好調で国内の薬価基準引き下げや消費税増税後の需要減の影響を吸収し、エーザイを除く3社が増収、営業増益を確保した。
武田薬品工業は、日本で高血圧症治療剤「アジルバ」が前年同期比約3.2倍の売り上げを記録した。米国でも多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」などが好調に推移、大型薬品の特許切れによる影響をカバーした。研究開発費の縮小などで営業利益も大幅に増えたが金融費用の増加で最終減益を余儀なくされた。
アステラス製薬は、5月に日本で投入した戦略商品の前立腺がん治療剤「イクスタンジ」が業績を牽引(けんいん)した。米国などで販売していた前年同期に比べ売り上げが2.8倍の234億円となり、「想定を超えて順調に推移している」(桝田恭正上席執行役員)。その結果、日本の薬価基準引き下げによる約60億円の減収や、今年度から募集している早期退職者への割増退職金の費用約90億円などを吸収し、大幅な営業増益となった。