旅行大手各社が、増加傾向の著しい訪日外国人客の獲得に注力している。訪日客は昨年、初めて年間1000万人を突破。今年も前年を3割近く上回るペースで推移しており、各社は日本での旅行需要を掘り起こす上で大きな潜在力があるとにらむ。定番の東京や京都などを巡るツアーにとどまらず、体験型ツアーなど品ぞろえの充実も図っている。
JTBは昨年3月、訪日客の多くを占めるアジアからのリピーターを増やす狙いで、体験型ツアー「エクスペリエンスジャパン」を発売。今年のコース数は約700と当初の倍以上に拡充し、円安や東南アジア向けのビザ発給要件の緩和も相まって、7~9月の申込人数は前年同月比約8~16倍と大幅な伸びだ。特に「アジアからの訪日客には珍しいフルーツ狩りを組み込んだコースの人気が高い」(同社)という。
近畿日本ツーリストとクラブツーリズムを傘下に持つKNT-CTホールディングスは、インターネットを通じた個人旅行の訪日客の集客を強化。同社が運営する訪日客向けの宿泊予約サイトや日帰りなどのバスツアーの予約サイトは、英語や中国語など4言語に対応させた。