進化する農機、GPS搭載トラクターや空撮ヘリ…  (2/2ページ)

2014.8.24 19:44

 井関農機が開発しているのは「スマート田植え機」。収穫時に稲が倒れていると、刈り取りの作業時間が大幅に増える。同社では土の深さなどを車輪に取り付けたセンサーで瞬時に判断し、均一に稲や肥料をまける田植え機の開発を進めている。鈴木俊一常務執行役員は「最大で肥料量を30%削減できる。早期に実用化したい」と意気込む。

 大手農機メーカーがスマート農機の開発に力を入れるのは、国内農業の構造変化を想定しているからだ。国内では農業従事者の高齢化が進み、担い手が不足しており、これからは農作業の省人化や省力化の需要拡大が見込まれる。

 加えて、政府の農業政策の転換も大きな影響を与えている。政府は6月に閣議決定した新成長戦略で、「32年に農林水産物・食品の輸出額1兆円を達成し、42年に輸出額5兆円の実現を目指す」と明記。このため、農地の大規模化を進め、海外からの輸入品に対抗できる農作物を作る方針を掲げている。

 こうした政府方針は、農機メーカーにとっても大きな追い風となっている。国内の農機市場は普及が一巡し、更新需要が中心。農家の数が減り、台数ベースでも減少傾向にある。その中でスマート農機は、メーカーにとっても新たな市場創出の機会となっており、今後、開発にも一段と力が入りそうだ。

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