□京都信用金庫河原町支店 前支店長・高木正尚氏(下)
■計画見極める目利き力を重視
京都信用金庫河原町支店の前支店長、高木正尚氏が力を注いだ取り組みの一つが創業支援だ。京都では老舗飲食店から独立したり、観光客向けの小売業を始めるケースが多い。取引先からの紹介もよくあり、支援の多くは担保をとらず金融機関もリスクを負う。そこで重視したのが担当者の目利き力だ。
「与信判断では、創業希望者に会ってビジョンや事業計画を聞くことが重要。長期的な視点に基づいた現実性のある事業計画を本人から聞けるかどうかが、見極めのポイントとなる」
こうした目利きは新規融資でも役立つ。「会社全体の利益を考えているか」「従業員の待遇を考慮しているか」といった点も重視し、目先の利益だけを追求していないかを確認する。さらに「経営者が自社の弱みも把握しているか」どうかも重要という。強みばかりを強調する経営者は、現実的なビジョンを描けていない場合が多いからだ。