キリンビールとアサヒビール、サントリー酒類のビール大手3社が2日、痛風の原因とされるプリン体や、糖質を含まない発泡酒の新製品をそろって発売した。サッポロビールが先陣を切って発売し、糖質とプリン体の2つの「ゼロ」が消費者の健康志向をつかんでヒットしている発泡酒「極ZERO(ゼロ)」を追撃する。“ゼロゼロ発泡酒”が、ビール類シェア争いの焦点になりそうだ。(山沢義徳)
新製品は、キリンの「淡麗プラチナダブル」、アサヒの「スーパーゼロ」、サントリーの「おいしいZERO(ゼロ)」。
キリンの新製品は発泡酒からプリン体だけを吸着除去する独自技術を利用、アサヒは新素材の「コメ乳酸発酵液」を使い、サントリーはホップの苦み成分を抽出した苦味料で味を整えた。後発商品だけにそれぞれ風味での差別化を狙う。
発泡酒の出荷量は、安価な第3のビールの人気に押されて昨年まで9年連続で減少していた。だが、課税分類をめぐり第3のビールから発泡酒へ切り替えたサッポロ「極ゼロ」は、価格が上がったにもかかわらず再発売後1カ月半で100万ケースを突破する好調ぶり。こうした“健康ニーズ”に加え、「第3のビールよりも製法の制約が少ない発泡酒」(大手開発担当者)に土俵が移ったことで、3社も参入に踏み切った。