ダイハツによると、現在のハイゼットに乗る女性ユーザーの比率は8%。現状では決して高いとはいえないが、比率が徐々に高まっているうえ、政府が農業の高齢化や就業人口の減少に歯止めをかけようと「女性」を切り口の一つに改革を進めていることも、女性に焦点を当てた理由だ。ダイハツは、農林水産省の「農業女子プロジェクト」にも自動車メーカーとして唯一、参画している。
一方、スズキ、ダイハツに共通するのは軽トラックの販売を重視している点だ。軽トラックは、価格が60万円台からと安く、1台当たりの採算は低い。三菱自動車や富士重工業が生産を取りやめたのはこのため。
ただ、「全面改良までの期間が長く、年10万台以上の生産台数が確保できれば利益が確実にあがる」(軽自動車大手)とされ、2社はこの条件をクリアしている。
また、ユーザーの農家や個人商店主は、車を複数台所有するケースが多く、軽トラックで顧客との接点を保ち、乗用車の販売につなげるメリットもあるという。両社は、軽自動車全体のシェア首位の獲得に向け、軽トラックの生産、販売に今後も力を入れていく考えだ。