キリンの新製品は発泡酒からプリン体だけを吸着除去する新技術を利用、アサヒは新素材の「コメ乳酸発酵液」を使い、サントリーはホップの苦み成分を抽出した苦味料で味を整えた。後発商品だけに、それぞれ風味面での差別化を狙う。
ただ小売店の陳列スペースは限られるため、「生き残るのは2~3商品」(大手首脳)との見方がもっぱらで、各社とも消費者へのアピールに懸命だ。
年内販売目標が120万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と3社中最多のキリンは、発売日に東京都内の総合スーパーで商品を無料配布。布施孝之・キリンビールマーケティング社長は「最初の1カ月でリピーター獲得の勝負が付くだろう」と気を引き締めた。今回、発泡酒市場に再参入したサントリーも全国で50万本を配り、浸透を目指す。
発泡酒の出荷量は9年連続で減少し、昨年は5869万ケースとビール類全体の14%弱まで低下。今回、“ゼロゼロ発泡酒”が脚光を浴びたことで、「料飲店の引き合いも増えてきた」といい、各社の次の一手が注目される。