トマト生産、葬祭業、カジノ運営 鉄道各社が「異業態」へ出発

2014.9.5 21:05

JR東日本は福島県いわき市でトマトの生産に乗り出す。写真は、共同出資者が同市内の植物工場で生産するトマト(JR東日本提供)

JR東日本は福島県いわき市でトマトの生産に乗り出す。写真は、共同出資者が同市内の植物工場で生産するトマト(JR東日本提供)【拡大】

 鉄道各社が本業とは直接的な関わりの薄い“異業態”に進出する動きが相次いでいる。少子化を背景に、中長期で鉄道利用客の減少が見込まれる中、鉄道以外の事業領域を拡大し、収益源の多角化を図る狙いがうかがえる。

 JR東日本は4日、トマトを生産する新会社「JRとまとランドいわきファーム」(福島県いわき市)を地元農家などとの共同出資で設立した。太陽光を利用した植物工場を平成28年春に建設し、同年夏に収穫を始める。農産物の加工・販売はすでに手掛けているが、生産は初の試みだ。

 年間600トンの収穫を見込み、グループの飲食店などで提供するほか、植物工場に隣接する施設でも販売する。冨田哲郎社長は「今後はトマト以外でも、地域の先進的な農家と手を携え、成長力のある農業に取り組みたい」と語る。

 一方、京王電鉄は葬祭業に進出する。葬儀会館の運営や葬儀の執行にあたる子会社を8月下旬に設立した。第1号となる葬儀会館を来春、京王線北野駅(東京都八王子市)近くに開設する。参入の理由について「葬儀ニーズの多様化に加え、少子高齢化が進んでいる」(広報)と説明する。

 また、京浜急行電鉄は、横浜市や東京・台場を候補地に、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)を整備する構想を掲げている。秋の臨時国会で関連法案が成立すると見込んで、8月中旬に検討を行う担当部署を新設した。事業主体となる企業連合体の発足に向けた準備を進めており、総投資額は5千億~6千億円規模を想定している。

 各社とも鉄道事業を基軸とするが、少子化が進めば沿線人口は減少し、鉄道収入の先細りは避けられない。鉄道以外の事業の成長は不可欠だとして、事業領域の拡大を急いでいる。

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