ただ、米IHSグローバルの直近の調査では、NAND型フラッシュメモリーの市場シェア(売上高ベース)で、東芝と四日市工場を共同運営する米サンディスク連合がサムスンを逆転。9日の会見で田中社長が余裕とも受け取れる発言をしたのは、このためとみられる。
しかし、両陣営のデッドヒートが今後も続くことは確実。田中社長も会見で、「グローバル競争を勝ち抜くために年間2000億円の設備投資を継続する」と、言葉の端々にサムスンへの対抗意識をあらわにした。
完成した第5製造棟の2期分は、そのグローバル競争を勝ち抜く重要な役割を担う。これまでフラッシュメモリーの競争軸は、メモリーの大容量化で、各社が電子回路の線幅を短くする微細化技術を競い合ってきた。
東芝とサムスンは、それぞれ19ナノメートルのメモリーで製造してきたが、東芝は今年から世界最小の15ナノメートルの量産を開始。新たに完成した第5製造棟の2期分で、この最先端のメモリーを量産する方針だ。