ベネッセ、厳しい信頼回復 情報漏洩で新規会員減に拍車

2014.9.11 05:00

 ベネッセホールディングス(HD)は10日、顧客情報流出問題の対策を公表した。少子化が進む中、教育産業の数少ない成長分野とされるインターネット関連事業では、個人情報の管理などをめぐる「信頼」が大前提となる。しかし、原田泳幸会長兼社長は、情報漏洩(ろうえい)の発生は企業風土に起因すると指摘するなど問題は根深く、対策の必要性は情報管理体制の強化だけにとどまらない。企業風土の改革は一朝一夕には実現が難しい一方、信頼を失ったままでは最大手のベネッセといえども生き残りは難しい。ベネッセは時間との戦いにも迫られている。

 原田氏は東京都内で開いた会見で、退会者数は足元では減少しているものの、問題発覚後、新規会員は相変わらず激減したままだと説明。会員の保護者から「おわびの手紙は届いたが、すぐに信用できるといえない」といった声もあったという。

 同社は4~6月期連結決算に、謝罪関連の費用やシステム変更などで260億円の特別損失を計上したが、業績への中長期的な影響については「今は言及できない」(原田氏)と、事態収拾のめどは立っていない。

 会見で原田氏は「内部犯行には弱いシステム」「性善説に立った監査」といった問題点を挙げた。だが、グループ社員は約2万人と同社の規模は大きく、企業風土を含めた抜本的な改革には相当の時間がかかる。

 とはいえ、代々木ゼミナールがリストラに乗り出すなど教育産業は「冬の時代」を迎えており、立て直しが遅れれば深刻な事態に陥りかねない。原田氏は情報システムや財務関連で「専門家をリクルートしている」とし、外部の人材を入れて改革のスピードを上げる考えを示したが、その成否は不透明だ。

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