□瀬戸信用金庫「地域企業の海外ビジネス支援」最終回
■ネットワーク組織でグローバル化
取引先の海外ビジネスを支援するため、瀬戸信用金庫(愛知県瀬戸市)は海外の銀行をはじめ損害保険、警備、人材派遣、物流など幅広い業種の企業と業務提携をしたり、海外業務支援グループ内に「海外ビジネスサポートデスク」を置くなど、さまざまな取り組みを進めている。
1月には、取引先企業が海外展開に関する情報を収集したり、ビジネスマッチングやグローバル感覚を醸成する場となる「せとしん海外ビジネスネットワーク」を設立し、海外でのビジネスや販路拡大に関心がある企業のほか、進出済み企業や貿易会社などの取引先を組織化した。これまでもセミナーや親睦・交流会、現地企業とのマッチングなどを実施してきたが、さらに一歩進め、より親密な交流を図るとともに地域経済の活性化につなげるのが狙いだ。
会員企業は発足と同時に400社以上が集まった。これから海外で事業展開をしようという企業が会員の半数程度を占め、進出予備軍の発掘・裾野拡大にもつながっている。ネットワークは、新たなビジネスの創造に貢献する可能性もある。
水野孝敏・国際業務部執行役員部長は「輸出入などの貿易取引か海外企業への生産委託、現地法人の設立に至るまで、海外展開に潜在的ニーズを持つ取引先は多い。今までは考えられなかったような小規模な企業の海外進出も珍しくなく、飲食業やサービス業など業種的な広がりも出てきている」と指摘する。