盛り上がる米国市場
その一方で、サイバー攻撃が横行する米国では、サイバー保険市場も急拡大している。
損害保険会社のシンクタンク「損保ジャパン日本興亜総合研究所」(東京)などによると、サイバー保険は米国で1990年代後半に登場。ここ数年で急激に市場を拡大しており、現時点で、加入した米企業が支払った総保険料は約10億ドル(約1023億円)と推計される。保険の加入を検討しているのは、大企業やIT企業にとどまらず、中小企業や学校、病院に広がっている。
米国では昨年12月、大手スーパーチェーン「ターゲット」で、売り上げ記録のデータ管理などに使われる「POS端末」がウイルスに感染。顧客のクレジットカードの暗証番号など約1億1千万件が流出する被害が発生した。米国のセキュリティー専門家は「全米で誰もが知るスーパーマーケットがサイバー攻撃で大損害を受けたことで、どの業界のトップも攻撃を完全に防ぎきれないと悟った」と説明する。