【原子力 再興】(3)数年の開発断絶「命取り」 (1/3ページ)

2014.9.24 05:00

 ■次世代炉、日本の技術的優位喪失も

 「ワオ!」

 興奮した米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の姿を、東芝関係者は鮮明に思い出す。2009年11月9日、ゲイツ氏は原発の設計を行う「磯子エンジニアリングセンター」(横浜市)などを極秘で訪問した。ゲイツ氏は自らが出資する次世代原子炉開発のベンチャー企業「テラパワー」の会長として、東芝が開発する次世代原子炉「4S」の視察に訪れたのだ。

 4Sは、1万~5万キロワットと小型だが、燃料交換なしで10~30年連続運転できるのが特徴だ。突然、電源が使えなくなった場合でも原子炉が自動停止し、自然に炉心が冷やされるなど安全性も高いという。東芝・電力システム社原子力事業部の尾崎章技監は「現時点でも実用炉の建設は技術的に可能だ」という。

 テラパワーが開発を進める「進行波炉(TWR)」と呼ばれる次世代原子炉も、4Sと酷似した仕組みだ。最長100年間燃料交換せずに運転が可能なほか、炉内のメンテナンスがほとんど不要で、緊急時には原子炉が自然に停止する。ゲイツ氏らテラパワーのメンバーは「これまで原子力を勉強してきた中で最も革新的だったのは東芝の4Sだ」と絶賛した。

 東芝とテラパワーは秘密保持契約を結んでおり詳細は不明だが、東芝関係者は「4Sの技術をTWRに転用することを検討している」と打ち明けた。

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