ソニーは昨年からハイレゾ対応機器を本格展開し、現在はオーディオの国内売り上げの20%超を占める。高木本部長は「(今年度下期中に)30%に上げ、近い将来、50%にしたい」と意気込む。利益率が高い上、価格下落も少なく、コンポなど他製品の販売も見込めるためだ。
ソニーのオーディオ事業はテレビなどと異なり黒字を確保しているとみられるが、インターネットでダウンロードした音楽が手軽に聞けるスマホの普及などで市場は縮小傾向にある。
ハイレゾを“救世主”と位置付けるのは他社も同様だ。パナソニックは4年ぶりにオーディオ機器の高級ブランド「テクニクス」を復活させ、対応製品を投入する。
もっとも、音楽配信サービス業者が提供するハイレゾ音源の曲数は増えてはいるが、全体のごく一部。対応機器の購入者も国内の愛好家が目立つ。今後、スマホや米アップルの「iPod(アイポッド)」の利用者が多い欧米など海外でも支持を集められるかが課題になる。(田村龍彦)