【奔流-成長するインドネシア経済】(下) 日系企業、新政権の改革期待 慢性的渋滞の解消 燃料補助金の削減 (1/3ページ)

2014.9.27 14:14

 店頭に並んだ何台ものトラックが強い日差しを浴びて輝いていた。インドネシア国内に30拠点を構える三菱ふそうトラック・バスの大手販売会社スリカンディ・グループ。需要拡大に合わせ2015年までに12拠点を新設するなど勢いに乗っているが、店舗拡大は拡販のためだけではない。

 同社のオスマン・アリフィン取締役は「渋滞が年々ひどくなり移動に想定以上の時間がかかる。顧客に近い場所に店舗を設けなければ満足できるサービスが提供できない」と説明する。

 2期10年に及んだユドヨノ政権のもと堅調な経済成長を続けてきたインドネシアだが、そのゆがみがいま顕在化している。最たるものが慢性化した交通渋滞だ。

 朝夕のラッシュ時には道路が車やバイクで埋め尽くされ、「たかだか数キロ離れた事務所に行くのに1時間かかることも珍しくない」(自動車大手駐在員)という。物流の遅れなどによる経済損失は年間8700億円に上るとの試算もある。

 急速に増加する自動車台数に、道路や公共交通機関などのインフラ整備が追いつかないのが渋滞の原因だ。このため、10月20日に新大統領に就任するジョコ・ウィドド氏はインドネシア全土で2千キロの道路建設を公約に掲げた。

 公共工事には財源が不可欠だ。白羽の矢が立ったのが、庶民向けの低品質な石油製品をほぼ半額に抑えている補助金の削減。しかし、ガソリンや軽油などの価格が上がれば輸送コストの増大で日用品や食料の値上げにもつながる。トヨタ自動車の福井弘之常務役員は「1割程度の(需要)減少が半年ぐらい続くのではないか」と懸念を示す。

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