個人消費の低迷色濃く 長引く増税反動減

2014.10.3 20:37

 3日に出そろったイオン、セブン&アイ・ホールディングスの平成26年8月中間決算には、消費税率引き上げによる個人消費の低迷が色濃く反映された。円安に伴う電気料金やガソリン価格の上昇などで家計負担が増え、消費者の生活防衛志向が強まる中、「増税による来店客数減から回復していない」(イオンの岡田元也社長)という厳しい状況が続いている。

 政府は4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が収まれば、個人消費が先行する形で国内景気の回復が顕著になるとみていた。6月が勝負とみていたセブン&アイだが、村田紀敏社長は「前回(平成9年)の増税よりも売り上げの戻りは遅い」と嘆く。9月以降についても「消費環境に大きな変化はみられない」(同)と、慎重な姿勢を崩さない。

 4月の増税のタイミングで、プライベートブランド(PB、自主企画)商品などで、高品質商品の強化を図ったイオンだが、「中途半端な価格設定で、安さのメッセージが伝わらなかった」(若生信弥専務執行役)。このため3~8月期の総合スーパー事業は131億円の営業赤字に転落した。7月から急(きゅう)遽(きょ)、低価格商品セールを開始したが、その効果は思うように表れていない。

 年末には、消費税率10%への引き上げの政府判断が控える。セブン&アイの村田社長は「足元の(個人消費が弱い)状況からは、(増税を)先送りした方がいいのではないか」という。イオンの岡田社長は「再引き上げがない方がいいのだが、期待しても先送りはないだろう」と、半分あきらめた表情。岡田社長は、再増税があれば、小売業全体を巻き込んだ「熾(し)烈(れつ)な価格競争が起きる」と分析している。

 (平尾孝)

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