大手商社の一角、住友商事が2015年3月期連結決算で約2400億円の巨額な減損損失を計上することになり、波紋を呼んでいる。同社は当初、2500億円の最終利益を見込んでいたが、そのほとんどが吹き飛ぶ計算になる。原因は資源開発投資の失敗。新たなエネルギー源として国際的に注目が高まるシェールオイルの開発などで、投下資金を回収するほどの生産量が見込めないことが分かった。資源開発にリスクはつきもので大手商社の多くが“やけど”を負ったことはあるが、後発とはいえ一気に2400億円の減損を出すのは異例だ。
「見通しが甘かったといわれれば、そうだったかもしれない。ただ(投資決定は)プロセスを含め慎重に進めたと考えている」。9月29日に記者会見した住友商事の中村邦晴社長は苦しい弁明に終始した。
減損は4つの事業で計上したが、資源開発関係は3つ。そのうち最も大きいのが米テキサス州でのシェールオイル開発で、減損額は1700億円。