後発の住友商事、資源開発の「落とし穴」 シェールで巨額損、遅れたリストラ (4/4ページ)

2014.10.11 07:02

 目利き足りず

 同時に指摘されるのが、技術やプロジェクト全体の目利き力不足だ。中村氏は「後発商社であり、世界の資源大手に比べ情報が少なかった」と話す。

 住商が手掛けるマダガスカルのニッケル精錬は政変もあって計画が大幅に遅延し、事業費が大幅に膨らんでいる。

 パートナーのカナダ資源会社シュリットインターナショナルの新技術の遅れも一因とされ、韓国資源公社も資源ビジネスは後発で技術の知見は乏しい。技術検証不足は否めず、住商は「計画通り」(中村氏)としているが、今回のテキサス州のシェールオイル同様、金融関係者からリスク管理を問う声が上がっている。

 資源分野を統括する人材不足も見逃せない。資源開発を強化するため、05年に経済産業省資源エネルギー長官を務めた岡本巌氏を招き、資源の統括役員として資源投資戦略を再構築し、チリ銅鉱山など実績も挙げた。09年から3年間は、自動車分野などが長い中村氏が資源・化学品事業部門長を務めた。

 人材不足はその後も解消されず、12年から資源出身の降旗(ふりはた)亨氏が同部門長を務めたが、事業戦略を外部から招いた人材に託す構図は続く。人材育成は大きな経営課題になっており資源ビジネスの難しさを改めて浮き彫りにしている。(上原すみ子)

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