パナソニックが車載用ミラー(鏡)で世界シェアの約2割を占めるスペイン自動車部品大手、フィコサ・インターナショナルと資本提携することで合意した。パナソニックは自動車関連事業を成長戦略の柱にしており、欧米メーカーを中心にM&A(企業の合併・買収)を模索していたが、選んだのは「ミラー」というニッチ(隙間)な事業を手掛ける企業。金融関係者からは「目の付けどころはよかった」と評価の声があがっている。
自動車用のミラーは自動車が誕生した19世紀後半からあまり機能や形状が変わっていない。それだけに専業メーカーが数多くあり、これらのメーカーで大半のシェアを握ることで知られる。
国内でもバックミラーが主力の村上開明堂や初めて電動格納ミラーを開発した市光工業などのシェアが高く、参入のハードルは決して低くない。
一方で、ミラーは将来的に車載カメラが撮影した周囲の状況をディスプレーとして映し出す役割が期待されている。事故を防ぐ先進運転支援システム(ADAS)や自動運転に向けて不可欠な部品になる可能性を秘めている。